マデイラワインとは?世界三大酒精強化ワインの味と特徴
ポルトガルの宝石「マデイラワイン」の基本と産地
マデイラワインとは、アフリカ大陸の北西、大西洋上に浮かぶポルトガル領「マデイラ島」で造られる酒精強化ワイン(フォティファイドワイン)のことです。スペインの「シェリー」、ポルトガル本土の「ポートワイン」と並び、世界三大酒精強化ワインの一つとして世界中で愛されています。
酒精強化ワインとは、醸造過程でアルコール(ブランデーなどの蒸留酒)を添加し、アルコール度数を高めたワインの総称です。マデイラワインのアルコール度数は一般的に17度から22度程度と、通常のワインよりも高く設定されています。この高いアルコール度数と独特の酸味が、長期熟成に耐えうる強靭なボディを生み出しています。
最大の特徴は「加熱」と「酸化」による熟成
マデイラワインが他のワインと決定的に異なる点は、そのユニークな製法にあります。通常のワイン造りでは「熱」と「酸化」は劣化の原因として徹底的に避けられますが、マデイラワインはあえて温め、空気に触れさせることで熟成を進めます。
この製法は、大航海時代に赤道直下を航海する船積みワインが、高温と揺れによって偶然美味しく熟成したことから発見されました。現在では、以下の2つの方法で意図的に加熱熟成が行われています。
- エストゥファ(Estufa)
- 人工的にタンクを加熱して短期間(3ヶ月〜)で熟成させる方法。主にスタンダードな普及品に用いられます。
- カンテイロ(Canteiro)
- 太陽光で温まる屋根裏部屋などに樽を置き、天然の熱でじっくりと時間をかけて熟成させる方法。高級なヴィンテージものなどに採用されます。
この過酷な環境を生き抜いたマデイラワインは、キャラメルやナッツを思わせる香ばしい風味(マデイラ香)を纏います。また、すでに酸化熟成が完了しているため、抜栓後も味が劣化しにくく、半永久的に楽しめることから「不死のワイン」とも呼ばれています。
甘口から辛口まで多彩な味のバリエーション
マデイラワインの味は一様ではなく、ブドウ品種や製法によって「辛口」から「極甘口」まで幅広いスタイルがあります。共通しているのは、マデイラ島特有の火山性土壌と海洋性気候が育む「きれいな酸味」です。この酸味が、濃厚な甘みや高いアルコール感を絶妙に引き締め、食事にも合わせやすいバランスの良い味わいに仕上げています。
- 辛口(ドライ):キリッとした酸味が際立ち、食前酒に向いています。
- 中辛口〜中甘口:程よい甘みとコクがあり、スープや煮込み料理に合います。
- 甘口(スイート):濃厚でリッチな味わい。食後酒やデザートワインとして、またはチョコレートやチーズとのマリアージュが楽しめます。
そのまま飲むだけでなく、料理の風味付けやソース(マデラソース)としても重宝されるなど、その用途の広さもマデイラワインの大きな魅力です。
カルディやスーパーで買える?マデイラワインの値段とおすすめ銘柄
マデイラワインはどこで売ってる?カルディや成城石井、スーパーの取り扱い状況
マデイラワインを飲んでみたい、あるいは料理に使いたいと思ったとき、身近なカルディやスーパー、成城石井などで手軽に購入できるのでしょうか。結論から言うと、一般的なスーパーマーケットでは取り扱いがないことが多く、購入場所はある程度限られます。
- カルディコーヒーファーム
- 輸入食品が豊富で期待されますが、マデイラワインの取り扱いは店舗によって大きく異なります。料理用の安価なものや、ごく稀に入荷することがある程度で、常時在庫している店舗は少ないのが現状です。
- 成城石井・明治屋
- 高級スーパーや輸入食品店では、酒類コーナーに数種類置かれている可能性が高いです。特に成城石井では、バーベイトなどの有名メーカーのスタンダードな商品が見つかることがあります。
- やまや・カクヤス・エノテカ
- お酒の専門店である「やまや」や「エノテカ」では、比較的入手しやすいでしょう。特に大型店では、甘口から辛口まで数種類比較して選べる場合があります。
確実に手に入れたい場合は、Amazonや楽天などの通販サイトを利用するのが最もスムーズです。特にヴィンテージものや特定の品種を探している場合は、品揃えが豊富なネット通販が推奨されます。
マデイラワインの値段相場は?料理用から高級品まで
マデイラワインの値段は、熟成年数やブランドによって幅広いです。自分の用途に合わせて適切な価格帯のものを選びましょう。
| 価格帯 | 特徴と用途 |
|---|---|
| 1,500円~2,500円 | スタンダードなタイプ(3年熟成など)。気軽に飲むほか、料理用(ソース作りなど)や製菓用としても最適です。「安い」と感じられる価格帯ですが、マデイラ特有の風味は十分に楽しめます。 |
| 3,000円~6,000円 | 5年、10年などの熟成表記があるもの。味わいに深みと複雑さが増し、ストレートでじっくり楽しむのに向いています。自分へのご褒美やちょっとした手土産にも良いでしょう。 |
| 10,000円以上 | 長期熟成品や特定の収穫年のヴィンテージもの。記念日の贈り物や、特別な一杯として楽しむ高級品です。 |
まずはこれを試したい!おすすめのマデイラワイン銘柄とメーカー
初めてマデイラワインを購入する方におすすめの、日本で手に入りやすい代表的なメーカーと銘柄を紹介します。
- バーベイト (Barbeito)
「マデイラの伝統を進化させた」と評される革新的なメーカー。スタイリッシュなラベルが特徴で、日本市場でも非常に人気があります。「スイート(甘口)」や「ドライ(辛口)」など味わいが明確で選びやすく、価格も2,000円台からと手頃なため初心者におすすめです。 - ブランディーズ (Blandy's)
200年以上の歴史を持つ大手メーカー。世界中で愛飲されており、品質が安定しています。5年熟成や10年熟成のラインナップが豊富で、バランスの取れた正統派の味わいが魅力です。 - ジャスティノス (Justino's)
マデイラ島で最大規模の生産量を誇るメーカーのひとつ。コストパフォーマンスに優れており、日常的に楽しむワインとしておすすめです。
料理用として探している場合でも、上記のメーカーのスタンダードクラス(3年熟成など)を使用することで、マデラワインソースの仕上がりが格段に良くなります。まずは2,000円前後のボトルから試してみるのが良いでしょう。
甘口(スイート)から辛口まで!マデイラワインの種類と選び方
好みに合わせて選べる4つの甘さ
マデイラワインの最大の特徴は、独自の加熱熟成プロセスに加え、発酵を止めるタイミングによって甘口から辛口まで幅広い味わいが存在することです。自分の好みに合った1本を見つけるために、まずは以下の4つのタイプを押さえておきましょう。
- 辛口(ドライ / Dry):発酵を長く行い糖分を減らしたタイプ。キリッとした酸味があり、食前酒として楽しまれます。
- 中辛口(ミディアム・ドライ / Medium Dry):ほどよい甘みと酸味のバランスが良く、食事中にも合わせやすいスタイルです。
- 中甘口(ミディアム・スイート / Medium Sweet):コクのある甘みが特徴。食後のチーズやドライフルーツと相性が抜群です。
- 甘口(スイート / Sweet / Rich):発酵の早い段階で酒精強化を行い、ブドウの糖分を多く残した濃厚なタイプ。デザートワインとして、または食後の優雅なひとときに最適です。
ラベルで見るブドウ品種と特徴
マデイラワインには、甘さのスタイルと紐づいた伝統的な「白ブドウ4品種(高貴品種)」と、生産量の多くを占める「黒ブドウ品種」があります。ラベルに品種名が記載されている場合、その品種を知ることで味わいの傾向が分かります。
| 品種名 | 甘辛度 | 特徴 |
|---|---|---|
| セルシアル (Sercial) |
辛口 | 冷涼な高地で栽培され、鋭い酸味が特徴。色は淡く、熟成によりナッツのような香ばしさが生まれます。 |
| ヴェルデーリョ (Verdelho) |
中辛口 | 華やかな果実の香りとまろやかな酸味が魅力。コンソメスープやパテなどとよく合います。 |
| ブアル (Boal / Bual) |
中甘口 | 濃い琥珀色で、熟した果実やキャラメルのような香り。しっかりとしたコクと甘みを楽しめます。 |
| マルヴァジア (Malvasia) |
甘口 | 別名「マルムジー」。最も歴史が古く、リッチで濃厚な甘みが特徴。コーヒーやチョコレートとの相性が最高です。 |
| ティンタ・ネグラ (Tinta Negra) |
全タイプ | 黒ブドウ品種。辛口から甘口まで全てのタイプに造られ、主に3年熟成などのスタンダード品に使用されます。 |
熟成年数とグレードによる選び方
品種や甘さだけでなく、熟成期間も選ぶ際の重要なポイントです。用途に合わせてグレードを選び分けましょう。
- スタンダード(3年熟成など)
- 比較的安価で手に入りやすいため、日常的な飲用はもちろん、料理用(ソース作りなど)やカクテルベースとしても重宝します。「ティンタ・ネグラ」種が使われることが一般的です。
- リザーブ(5年・10年・15年など)
- 平均熟成年数がラベルに記載されたブレンドワインです。5年や10年ものは、マデイラワイン特有の複雑な風味とまろやかさが楽しめ、価格とのバランスも良いため、初めて本格的に飲む方におすすめです。
- ヴィンテージ(フラスケイラ / コリェイタ)
- 特定の収穫年のブドウのみを使用し、長期間樽熟成させた高級品です。記念年のプレゼントや、特別な日の贅沢な一杯として選ばれます。
初心者はまず、デザートとして楽しみたいなら「マデイラ スイート(マルムジー)」、すっきり飲みたいなら「辛口(セルシアル)」といったように、甘さの好みから入り、予算に合わせて熟成年数を選ぶのが失敗しないコツです。
マデイラワインの美味しい飲み方|ストレートからソーダ割り・カクテルまで
そのままで楽しむ!基本のストレートと適正温度
マデイラワインの最大の魅力である「加熱熟成による香ばしさ」と「きれいな酸」をダイレクトに感じるなら、やはりストレートがおすすめです。食前酒(アペリティフ)や食後酒(ディジェスティフ)として、ゆっくりと時間をかけて味わうのが王道のスタイルです。
美味しく飲むためのポイントは温度とグラス選びにあります。マデイラワインはタイプによって適温が異なります。
- 辛口・中辛口(セルシアル、ヴェルデーリョなど)
- 白ワインのように少し冷やして12℃〜14℃で飲むのがおすすめです。冷やすことで酸味が引き締まり、食前酒として料理の味を引き立てます。
- 甘口・中甘口(ブアル、マルムジーなど)
- 常温に近い16℃〜18℃が適温です。温度が高まることで甘みと複雑な香りが開き、リラックスタイムや食後のデザートワインとして最適です。
グラスに関しては、香りを逃さないよう口がすぼまったチューリップ型のワイングラスや、小ぶりのシェリー酒用グラスを使うと、芳醇なアロマを存分に楽しめます。
ソーダ割り(マデイラ・ハイボール)やオン・ザ・ロックで軽やかに
アルコール度数が19度前後あるマデイラワインは、少し強いと感じる方もいるかもしれません。そんな時は、炭酸水で割るソーダ割り(マデイラ・ハイボール)がおすすめです。
特に「ドライ(辛口)」や「ミディアム・ドライ」のマデイラワインを氷を入れたグラスに注ぎ、ソーダで1:2または1:3の割合で割ると、爽やかな酸味が際立ち、ビールやスパークリングワイン代わりの一杯として楽しめます。レモンスライスやミントを添えると、さらに清涼感が増します。
また、氷を浮かべるオン・ザ・ロックも人気の飲み方です。氷が溶けるにつれて味わいがまろやかになり、甘口のマデイラワインでもスッキリと楽しむことができます。
寒い日にはホット・マデイラもおすすめ
冬場や冷房で冷えた体には、お湯で割るホット・マデイラも試す価値があります。甘口のマデイラワインをお湯で割り、お好みでシナモンスティックやクローブなどのスパイス、オレンジピールを加えると、香り高いホットカクテルになります。加熱された独特の風味が温かい温度帯でさらに広がり、リラックス効果も抜群です。
マデイラワインに合うおつまみと料理(マリアージュ)
マデイラワインは「何を合わせればいいかわからない」と悩まれがちですが、実は幅広い食材と相性が良いお酒です。タイプ別に合う料理やおつまみをご紹介します。
- 辛口(ドライ)タイプ:
キリッとした酸味があるため、コンソメスープ、スモークサーモン、オリーブ、生ハムなどの前菜によく合います。また、中華料理やカレーなどスパイスの効いた料理とも喧嘩しません。 - 甘口(スイート)タイプ:
食後のデザートタイムに最適です。特にチョコレートやナッツ、ドライフルーツとの相性は抜群です。また、濃厚な味わいのブルーチーズなどのチーズ類と合わせると、塩気と甘みの絶妙なマリアージュが楽しめます。ティラミスやパウンドケーキなどのお菓子に添えるのもおすすめです。
このように、マデイラワインはストレートだけでなく、シーンや気分に合わせて自由な飲み方ができる懐の深いワインです。ぜひお気に入りのスタイルを見つけてみてください。
料理の格が上がる!マデラワインソースのレシピとない時の代用方法
レストランの味を再現!基本のマデラワインソースとは
マデイラワインを使った料理といえば、フレンチの定番「マデラワインソース(マディラワインソース)」が有名です。マデイラワインを煮詰めることでアルコールが飛び、特有のキャラメルのような香ばしさと濃厚な甘みが凝縮され、料理の格を一気に引き上げます。
特に牛フィレ肉のステーキや鴨肉のロースト、ハンバーグといった肉料理との相性は抜群です。また、ビーフシチューなどの煮込み料理の隠し味として加えるだけでも、プロのようなコクと深みを出すことができます。
絶品!ステーキ用マデラソースのレシピ
家庭でもスーパーで手に入る材料を使って、本格的なステーキソースを作ることができます。ここでは基本的な作り方をご紹介します。
- 材料
- マデイラワイン(甘口~中甘口):100ml
- フォンドヴォー(市販の缶詰やペースト):100ml
- 醤油:小さじ1(隠し味として)
- バター:10g
- 塩・こしょう:適量
- 小鍋にマデイラワインを入れ、中火にかけて半量になるまで煮詰めます。ここでしっかりとアルコールを飛ばし、風味を凝縮させるのがポイントです。
- フォンドヴォーを加え、さらにとろみがつくまで弱火で煮詰めます。
- 隠し味に醤油を数滴垂らすと、ご飯にも合う日本人好みの味になります。
- 火を止め、冷たいバターを加えて余熱で溶かしながら混ぜ合わせます(モンテ)。これでソースに艶とコクが出ます。
- 最後に塩・こしょうで味を調えれば完成です。
マデイラワインがない時の代用アイデア
「レシピにマデイラワインとあるけれど、手元にない」「わざわざ料理用に一本買うのはハードルが高い」という場合もあるでしょう。完全に同じ風味を再現するのは難しいですが、家にある調味料や他のお酒で代用し、近いニュアンスを作ることは可能です。
- 1. 赤ワイン + 蜂蜜(または砂糖) + ブランデー
- 最も一般的な代用方法です。マデイラワインは酒精強化ワインであり、熟成による酸化した香りと甘みが特徴です。赤ワインの酸味に蜂蜜で甘みを足し、ブランデーでアルコール感と熟成香を補うことで、マデイラ風のソースを作ることができます。
- 2. ポートワイン
- 同じポルトガルの酒精強化ワインであるポートワインも代用として優秀です。マデイラよりもフルーティーさが強い傾向にありますが、甘口のタイプであれば肉料理のソースとして十分代用可能です。
- 3. シェリー酒(オロロソなど)
- スペインの酒精強化ワイン、シェリー酒も選択肢の一つです。特に酸化熟成させたタイプ(オロロソなど)は風味が近く、代用に適しています。
- 4. 紹興酒(和風・中華風アレンジの場合)
- 意外かもしれませんが、マデイラワインの独特な酸化熟成香は紹興酒と共通する部分があります。醤油ベースのソースや豚の角煮などに使う場合は、紹興酒で代用すると違和感なく馴染みます。
代用品を使う際は、味見をしながら甘みや酸味を調整してください。しかし、マデイラワイン特有の「加熱したような香ばしい風味」は唯一無二のものです。特別な日のディナーには、ぜひ本物のマデイラワインを使って、ワンランク上の料理を楽しんでみてください。
マデイラワインとポートワイン、シェリー酒の違いとは?
世界三大酒精強化ワインの比較
マデイラワイン、ポートワイン、シェリー酒は「世界三大酒精強化ワイン」として知られています。いずれも醸造過程で高アルコールの蒸留酒(ブランデーなど)を添加してアルコール度数を高めたワインですが、産地や製法、味わいには明確な違いがあります。それぞれの特徴を理解することで、より自分好みの1本を見つけやすくなるでしょう。
産地と気候による違い
まず大きな違いは生産国と地域です。マデイラワインとポートワインは同じポルトガル産ですが、シェリー酒はスペイン産です。
- マデイラワイン:ポルトガル領マデイラ島で作られます。アフリカ大陸に近い大西洋に浮かぶ火山島で、ミネラル感と独特の酸味が特徴です。
- ポートワイン:ポルトガル本土北部のドウロ地方で作られます。「ポルトガルの宝石」とも称され、濃厚な甘みが特徴です。
- シェリー酒:スペイン南部のアンダルシア地方(ヘレス周辺)で作られます。ドライな辛口から極甘口まで多様なスタイルがあります。
製法と熟成プロセスの違い
最も大きな違いは熟成方法にあります。特にマデイラワインは、意図的に「酸化」と「加熱」を行う点が非常にユニークです。
- マデイラワイン(加熱熟成)
- あえてワインを温める「加熱熟成」を行います。これにより、キャラメルのような香ばしい風味(マデイラ香)と、酸化に対する極めて強い耐性が生まれます。抜栓後も半永久的に味が変わらないと言われるほど保存性が高いのが特徴です。
- ポートワイン(発酵停止)
- ブドウの発酵途中でブランデーを加えて酵母の働きを止め、ブドウ本来の糖分を残します。そのため、アルコール度数が高く、甘口の赤ワインが主流となります。
- シェリー酒(フロールとソレラ)
- 白ワインをベースに、「フロール」と呼ばれる産膜酵母の膜の下で熟成させる(フィノなど)か、酸化熟成させます。「ソレラシステム」という独特の継ぎ足し熟成を行うのが一般的です。
味わいと楽しみ方の比較まとめ
それぞれの違いを以下の表にまとめました。料理に合わせるか、食後酒にするかなど、シーンに合わせて使い分けるのがおすすめです。
| 種類 | 産地 | 主な特徴 | 味わいの傾向 |
|---|---|---|---|
| マデイラワイン | ポルトガル (マデイラ島) | 加熱による熟成 高い酸と香ばしさ | 辛口~極甘口 独特の酸味とコク |
| ポートワイン | ポルトガル (ドウロ地方) | 発酵途中で酒精強化 甘みを残す | 主に甘口 濃厚でフルーティー |
| シェリー酒 | スペイン (アンダルシア) | フロール(酵母膜) ソレラシステム | 辛口~極甘口 ドライでキレがあるものも多い |
特にマデイラワインは、他の2つと比べて「酸味」がしっかりしているため、濃厚なソースを使ったり、脂っこい料理と合わせたりしても口の中をさっぱりさせてくれます。また、一度開栓しても味が落ちにくいため、少しずつ長く楽しみたい方には最適です。
開封後も長持ちする?マデイラワインの正しい保存方法と賞味期限
なぜマデイラワインは開封後も劣化しないのか?
一般的なワインは抜栓すると数日で酸化が進み、風味が落ちてしまいますが、マデイラワインは驚異的な保存性を持っています。その理由は、独特の加熱熟成(エストゥファやカンテイロ)という製法にあります。製造過程ですでに意図的に酸化・加熱され、アルコール度数も高められているため、開封後に空気に触れてもこれ以上劣化することがほとんどありません。
この特徴から、マデイラワインは「不死のワイン」とも呼ばれ、一度開けたボトルでも焦らず長く楽しむことができます。
開封後の日持ちはどれくらい?賞味期限の目安
マデイラワインには、法律上の明確な賞味期限は設定されていません。しかし、美味しく飲める期間の目安はあります。通常のスティルワインとは異なり、開封後でも常温で数ヶ月から、ものによっては数年単位で品質を維持できます。
- スタンダードなタイプ(3年〜5年熟成など):開封後、半年〜1年程度は美味しく楽しめます。
- 10年以上の熟成タイプ・ヴィンテージもの:非常に安定しており、抜栓後も半永久的に味が変わらないと言われることもあります。
あわてて飲み切る必要がないため、毎晩少しずつ楽しむ「ナイトキャップ(寝酒)」としても最適です。数日に分けて飲んでも、最後の1滴まで変わらぬ美味しさを保ちます。
最適な保存場所と保管方法のポイント
マデイラワインを長く楽しむための正しい保存方法には、いくつかのポイントがあります。基本的には常温保存で問題ありませんが、以下の点に注意して保管しましょう。
- ボトルは立てて保存する
- マデイラワインは糖度やアルコール度数が高く、コルクに長時間触れるとコルク自体を傷めてしまうことがあります。また、ヴィンテージワインなどはコルクが脆くなっている場合もあるため、横に寝かせず垂直に立てて保管してください。
- 直射日光と極端な温度変化を避ける
- 熱に強いワインですが、直射日光は避けて冷暗所に置くのがベストです。冷蔵庫に入れる必要は特にありませんが、飲む直前に少し冷やしたい場合は一時的に入れると良いでしょう。長期保管の場合は、温度変化の少ない場所を選んでください。
正しく保管すれば、100年以上の古酒であっても現役で楽しめるのがマデイラワインの魅力です。自宅に常備しておいても管理が楽なため、ワイン初心者の方にもおすすめできるポイントの一つです。
マデイラワインに関するよくある質問(ヴィンテージ・健康への影響など)
100年以上前のヴィンテージでも飲めるのですか?
マデイラワインは別名「不死のワイン」とも呼ばれ、極めて長い寿命を持つことで知られています。一般的なワインであれば数十年でピークを過ぎてしまうことが多いですが、マデイラワインの場合は100年、あるいは150年以上前のヴィンテージであっても、美味しく飲むことができるものが数多く存在します。
これは、マデイラワイン特有の製造工程である「加熱熟成」と、ブランデー添加による「酒精強化」によって、ワインがすでに意図的に酸化・熟成された状態にあるためです。これ以上酸化しようがないほど成分が安定しているため、未開封であれば半永久的に品質を保つことができます。そのため、自分や家族の生まれ年のワインを探すバースデーヴィンテージや記念日のギフトとしても大変人気があります。
アルコール度数はどれくらいですか?
マデイラワインのアルコール度数は、一般的に17度から22度前後です。通常の白ワインや赤ワインが12度から14度程度であることを考えると、やや高めの度数となっています。
これは発酵の途中でアルコール度数の高いグレープスピリッツ(ブランデー)を加えて発酵を止める製法によるものです。甘口(スイート)のタイプなどは口当たりが良く飲みやすいため、ついついグラスが進んでしまいますが、アルコール自体は強めのお酒です。楽しむ際は、チェイサー(水)を用意しながらゆっくりと味わうことをおすすめします。
飲んだ後に尿の色が変わるという噂は本当ですか?
「マデイラワイン 色 尿」といったキーワードで心配される方がいらっしゃいますが、基本的にマデイラワインの琥珀色や褐色の色素がそのまま尿として排出され、ワインのような色になることはありません。
ただし、マデイラワインに限らずアルコールには強い利尿作用があります。お酒を飲むと体内の水分が排出されやすくなり、一時的に脱水気味になることで、尿の色が通常より濃い黄色(濃縮された状態)になることはあり得ます。これはアルコール分解の過程や水分不足による生理的な反応ですので、健康への影響を抑えるためにも、飲酒の際は同量の水を飲むなどしてこまめな水分補給を心がけましょう。
料理用と飲む用のマデイラワインに違いはありますか?
マデイラワインはフランス料理のソース作り(マデラソース)や洋菓子(ケーキやティラミスなど)の風味付けによく使用されますが、「料理用」として販売されているものと、通常の飲用ボトルには違いがある場合があります。
- 製菓・料理専用として販売されているもの
- 安価な製菓用マデイラの中には、酒税法の関係や保存性を高める目的で「塩分」が添加されているものがあります。これらはそのまま飲むと塩辛く感じるため、飲用には向きません。購入時にラベルの原材料を確認しましょう。
- 一般的なマデイラワイン(3年熟成など)
- 酒販店やスーパーで売られている「バーベイト」などのスタンダードなマデイラワイン(3年や5年熟成)は、そのまま飲んでも美味しく、料理に使えばさらに芳醇な香りとコクを加えることができます。ご家庭で楽しむ場合は、飲用として売られているボトルを一本用意し、料理にも少し使うというスタイルがおすすめです。