チリワインの特徴とは?安くて美味しい「コスパ最強」の理由
世界中で愛されるチリワインの魅力とは
日本国内の輸入ワイン市場において、長年トップクラスのシェアを誇るチリワイン。スーパーやコンビニでも手軽に購入でき、「安くて美味しい」ワインの代名詞として親しまれています。しかし、単に価格が安いだけではありません。チリワインが高品質である背景には、チリという国ならではの地理的条件や歴史、そして経済的な要因が深く関わっています。
なぜ安い?チリワインが「コスパ最強」と呼ばれる3つの理由
「チリ産ワインは安いけれど、品質はどうなの?」「なぜこれほど安く買えるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。実は、チリワインが低価格で提供できるのには、品質を犠牲にしない明確な理由があります。
- 1. 日本との経済連携協定(EPA)による関税撤廃
- 日本とチリの間では、2007年に経済連携協定(EPA)が発効されました。これにより段階的にワインの輸入関税が引き下げられ、2019年には関税が完全に撤廃されました。フランスやイタリアなどの欧州産ワインには通常関税がかかる一方で、チリワインは関税ゼロで輸入できるため、同じ品質レベルでもより安く消費者に届けることが可能になったのです。
- 2. 病害虫「フィロキセラ」の被害を受けなかった奇跡
- 19世紀後半、世界中のブドウ畑を壊滅させた害虫「フィロキセラ」。しかし、チリは北のアタカマ砂漠、東のアンデス山脈、西の太平洋、南の氷河といった自然の障壁に囲まれていたため、奇跡的にこの被害を免れました。そのため、接ぎ木の手間やコストがかからず、ブドウ本来の生命力を活かした「自根(じこん)」での栽培が可能です。これが生産コストの削減と、ピュアな味わいの実現に寄与しています。
- 3. 低コストで効率的な生産体制
- チリは欧州や北米に比べて人件費や土地代が比較的安価です。さらに、広大で平坦な土地を利用した機械化による効率的な大規模栽培が進んでおり、高品質なブドウを低コストで生産できる体制が整っています。
高品質を生み出すテロワール(気候・風土)の特徴
チリワインの美味しさを支えているのは、その恵まれた気候条件(テロワール)です。南北に細長い地形を持つチリは、ブドウ栽培にとって理想的な環境が揃っています。
- 地中海性気候:夏は乾燥して暑く、冬は湿潤で温暖という、ブドウの成熟に最適な気候です。
- 激しい寒暖差:日中は強い日差しを浴びて糖度が増し、夜間は冷涼な空気に包まれて酸が保たれます。この温度差が、果実味が凝縮した濃厚な味わい(フルボディ)を生み出します。
- 少ない病気リスクとオーガニック栽培:乾燥した気候のおかげでカビなどの病気が発生しにくく、農薬の使用を最小限に抑えられます。そのため、チリはオーガニックワインの生産地としても世界的に有名です。
このように、チリワインは「安かろう悪かろう」ではなく、「恵まれた環境と経済的メリットによって、高品質なワインを適正価格以下で楽しめる」という、まさにコストパフォーマンスに優れたワインなのです。
赤・白・スパークリングの違いと代表的なブドウ品種(カベルネ・ソーヴィニヨンブラン他)
チリを代表する「赤ワイン」の品種と特徴
チリは地中海性気候の恩恵を受け、ブドウがしっかりと完熟するため、果実味が豊かで濃厚なフルボディの赤ワインが多く生産されています。特に以下の品種はチリワインを語る上で欠かせない存在です。
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- チリで最も栽培面積が広い、まさに王道の品種です。「チリカベ」の愛称でも親しまれており、カシスやブラックベリーのような凝縮した果実味と、力強いタンニンが特徴です。安価なテーブルワインから、世界最高峰のプレミアムワインまで幅広く造られています。
- カルメネール(カルメネーレ)
- もともとはフランス・ボルドー原産の品種ですが、現在では「チリ固有の代表品種」として成功しています。かつてはメルローと混同されていましたが、DNA鑑定により別品種と判明しました。独特のスパイシーな香りと、チョコレートのような深み、渋みが穏やかでまろやかな口当たりが魅力です。
- メルロー
- カベルネ・ソーヴィニヨンに次いで人気のある品種です。酸味やタンニンが控えめで、プラムのような柔らかな果実味が特徴。口当たりが滑らかで飲みやすいため、ワイン初心者にもおすすめです。
- ピノ・ノワール
- 近年、海沿いの冷涼な地域(カサブランカ・ヴァレーなど)で栽培が盛んになっている品種です。イチゴやチェリーのような赤い果実の香りと、エレガントな酸味が特徴で、ブルゴーニュ産に引けを取らない高品質なワインも登場しています。
爽やかでアロマティックな「白ワイン」の品種
チリの白ワインは、太平洋からの寒流(フンボルト海流)やアンデス山脈からの冷気の影響を受け、キリッとした酸とフレッシュな果実味を持つものが多く造られています。特に以下の2大品種が有名です。
| 品種名 | 特徴と味わい |
|---|---|
| ソーヴィニヨン・ブラン | チリの白ワインで特に評価が高い品種です。グレープフルーツのような柑橘系の香りと、ハーブや青草のような爽やかなアロマが特徴。酸味が際立っており、魚介料理との相性が抜群です。 |
| シャルドネ | 世界中で栽培されている白ワインの女王。チリでは、トロピカルフルーツのようなリッチな果実味を持つものから、樽熟成によるバニラの香りが楽しめるものまで、多様なスタイルが造られています。 |
| ゲヴュルツトラミネール | ライチやバラのような華やかな香りが特徴のアロマティックな品種。スパイシーな料理やエスニック料理ともよく合います。 |
コスパ抜群の「スパークリングワイン」と注目の新潮流
チリ産のスパークリングワインは、シャンパンと同じ「シャルドネ」や「ピノ・ノワール」を使用しながらも、手頃な価格で楽しめるのが最大の魅力です。
- フレッシュでフルーティー:多くのチリ産スパークリングは、果実味を活かした爽やかな味わいで、日常の食卓に合わせやすいのが特徴です。
- 本格的な製法:高級なものでは瓶内二次発酵(シャンパン製法)で造られるものもあり、きめ細やかな泡と熟成感を楽しめます。
また、近年では白ブドウを赤ワインのように皮ごと発酵させた「オレンジワイン」や、有機栽培ブドウを使用した「オーガニックワイン(ナチュールワイン)」の生産も増えており、チリワインの多様性はさらに広がっています。
【1000円以下も】安くて旨い!高コスパなチリワインおすすめ銘柄(アルパカ・コノスル等)
日常の食卓を彩る!500円〜1000円台の鉄板チリワイン
チリワインの最大の魅力といえば、やはり圧倒的なコストパフォーマンスです。日本とチリの経済連携協定(EPA)による関税撤廃の影響もあり、高品質なワインが驚くほど手頃な価格で手に入ります。ここでは、スーパーやコンビニ、業務スーパーなどで購入でき、かつ味わいも評価されている「安くて旨い」代表的な銘柄を紹介します。
【アルパカ】日本の輸入ワイン市場で売上No.1の実力
「サンタ・ヘレナ・アルパカ」は、愛らしい動物のラベルでおなじみのチリワインです。500円〜1000円以下という価格帯ながら、果実味豊かで渋みが少なく、非常に飲みやすい味わいが特徴です。
- 特徴: フレッシュで親しみやすく、ワイン初心者にもおすすめ。
- 人気品種: カベルネ・メルロー(赤)やシャルドネ・セミヨン(白)など、ブレンドによるバランスの良さが光ります。
- 購入場所: 全国のスーパー、セブンイレブンやローソンなどのコンビニ、ドラッグストアなどどこでも入手可能です。
【コノスル】自転車のラベルが目印!品種ごとの個性を楽しむ
ワイン好きの間で「コスパ最強」と名高いのが「コノスル」です。特に「ビシクレタ・レゼルバ」シリーズは、自転車のイラストが描かれたラベルが目印。有機栽培や環境への配慮を重視しており、低価格ながら本格的な品種の個性を楽しめます。
- ビシクレタ・レゼルバの特徴
- ブドウ品種ごとの特徴をピュアに表現しており、カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール、ゲヴュルツトラミネールなどラインナップが豊富です。
- オーガニックシリーズ
- さらに自然派志向の方には、有機栽培ブドウを1000円前後で楽しめる「オーガニック」シリーズも人気です。
【カッシェロ・デル・ディアブロ】「悪魔の蔵」の伝説を持つプレミアムワイン
チリの名門ワイナリー「コンチャ・イ・トロ」が手掛けるこのワインは、「その美酒を盗み飲みされないように、蔵に悪魔が棲んでいるという噂を流した」という伝説が名前の由来です。
1000円台前半と少し価格は上がりますが、樽熟成による複雑味と濃厚なフルボディの味わいは価格以上の満足感があります。週末のプチ贅沢や、しっかりとした肉料理に合わせたい一本です。
【サンタ・バイ・サンタ・カロリーナ】日本人好みに仕立てられた味わい
日本企業のサントリーとチリの名門サンタ・カロリーナ社が共同開発した、日本人の味覚に合うチリワインです。果実味をしっかり感じさせつつも、後味はすっきりとしており、日常の和食や家庭料理とも相性抜群です。
安旨チリワイン比較リスト
毎日の晩酌用にストックしておきたい、おすすめのシリーズをまとめました。
| 銘柄名 | 価格帯目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| アルパカ | 500円〜 | 圧倒的シェア。フルーティで飲みやすい。 |
| コノスル ビシクレタ | 800円〜 | 品種の個性が明確。ワイン通も納得の品質。 |
| フロンテラ | 600円〜 | 世界で一番売れているチリワイン。バランスが良い。 |
| サンライズ | 1000円前後 | 太陽をたっぷり浴びた濃厚な果実味。 |
| ディアブロ | 1300円〜 | 濃厚でリッチ。悪魔の蔵の伝説を持つ実力派。 |
これらのワインは、イオンややまやなどの量販店、あるいは近所のコンビニで手軽に購入できます。「安かろう悪かろう」ではなく、チリの恵まれた気候と醸造技術が生み出した「安くて美味しい」ワインをぜひ楽しんでください。
【高級・最高峰】世界が認めるプレミアム・チリワインおすすめ銘柄(セーニャ・アルマヴィーヴァ等)
チリワインといえば「安くて美味しい」というイメージが定着していますが、実は世界中のワイン愛好家や評論家が絶賛する「ウルトラプレミアムワイン」の宝庫でもあります。フランス・ボルドーの五大シャトーやカリフォルニアのカルトワインに匹敵する品質を持ちながら、それらよりも比較的手の届きやすい価格で入手できるのがチリの高級ワインの魅力です。
ここでは、世界的なブラインドテイスティングで歴史的勝利を収めた銘柄や、名門ワイナリーが威信をかけて造る最高峰のチリワインをご紹介します。
チリワインの最高峰!5大シャトーの血を引く「アルマヴィーヴァ」
チリの高級ワインを語る上で欠かせないのが、「アルマヴィーヴァ (Almaviva)」です。これは、チリ最大のワイナリー「コンチャ・イ・トロ」と、フランス・ボルドーの五大シャトーの一つ「シャトー・ムートン・ロスチャイルド」を所有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がタッグを組んで生み出した奇跡のワインです。
「チリのオーパス・ワン」とも称されるこのワインは、チリの恵まれたテロワール(土壌・気候)と、フランスの伝統的な醸造技術が見事に融合しています。カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたボルドー・ブレンドで、力強くもエレガントな味わいは、まさにチリワインの最高峰と呼ぶにふさわしい逸品です。
世界を驚かせたプレミアムワインの先駆け「セーニャ」
「セーニャ (Seña)」は、チリの名門エラスリス家のエドゥアルド・チャドウィック氏と、カリフォルニアワインの父と呼ばれるロバート・モンダヴィ氏のジョイントベンチャーによって1995年に誕生しました。
セーニャを一躍有名にしたのは、2004年に開催された「ベルリン・テイスティング」です。この歴史的な試飲会で、セーニャはフランスの五大シャトー(ラフィットやマルゴー)やイタリアのスーパータスカンといった超一流ワインを抑えて上位にランクインし、チリワインの実力が世界レベルであることを証明しました。ビオディナミ農法を取り入れた自然な造りで、長期熟成にも耐えうるポテンシャルを持っています。
まだまだある!世界が認めるチリの高級ワイン銘柄
アルマヴィーヴァやセーニャ以外にも、贈り物や特別な日の1本として選ばれる名作が数多く存在します。
- ドン・メルチョー (Don Melchor)
- コンチャ・イ・トロ社が誇る最高級キュヴェ。プエンテ・アルトという極上の畑で育ったカベルネ・ソーヴィニヨンを使用し、世界のトップワイン100選にも度々選出される実力派です。
- モンテス・アルファ・エム (Montes Alpha M)
- 日本でも人気の高い「モンテス」のアイコンワイン。特定優良畑のブドウのみを手摘みし、生産量を極限まで絞って造られます。ボルドー・スタイルの重厚な味わいが特徴です。
- ヴィニエド・チャドウィック (Viñedo Chadwick)
- エラスリス家のチャドウィック氏が、父へのオマージュとして造り上げたカベルネ・ソーヴィニヨン100%のワイン。ベルリン・テイスティングで1位を獲得した実績を持ち、入手困難なレアワインとしても知られています。
高級チリワインのスペック比較表
これら高級ワインは、自分へのご褒美はもちろん、ワイン通の方へのギフトとしても間違いのない選択肢です。それぞれの特徴を比較してみましょう。
| 銘柄名 | 主要品種 | 特徴・キーワード |
|---|---|---|
| アルマヴィーヴァ | カベルネ・ソーヴィニヨン主体 | ムートン・ロスチャイルドとの合作、ボルドー・スタイル |
| セーニャ | カベルネ・ソーヴィニヨン主体 | モンダヴィとの合作、ベルリン・テイスティングでの快挙 |
| ドン・メルチョー | カベルネ・ソーヴィニヨン | コンチャ・イ・トロの最高傑作、濃厚で複雑 |
| モンテス・アルファ・エム | カベルネ・ソーヴィニヨン主体 | モンテスの最上級ライン、長期熟成向け |
これらのワインは「当たり年」と呼ばれるヴィンテージ(ブドウの収穫年)によって価格や評価が変動することもありますが、チリは気候が安定しているため、年ごとの品質のバラつきが比較的少ないのも嬉しいポイントです。ぜひ、特別な瞬間にこれら「チリの最高峰」を味わってみてください。
チリワインの主要産地と地図|地域ごとの味わいの違い
南北4,300kmが生む多様なテロワールと気候
チリは南北に約4,300kmという非常に細長い国土を持つ国です。そのため、北のアタカマ砂漠周辺から南のパタゴニア氷河地帯まで、地域によって気候条件が劇的に異なります。この地理的な多様性が、チリワインの味わいに豊富なバリエーションを与えています。
チリのワイン産地を理解する上で重要なのが、東にそびえるアンデス山脈と、西に広がる太平洋(フンボルト海流)の存在です。これらがもたらす昼夜の寒暖差や冷涼な風が、ブドウの酸味と果実味を凝縮させ、病害虫の少ない理想的な栽培環境を作り出しています。チリではワイン法によりDO(原産地呼称)が定められており、産地ごとの個性が明確に区分されています。
主要産地1:アコンカグア地域(白ワインとピノ・ノワールの聖地)
首都サンティアゴの北に位置するアコンカグア地域は、海に近いエリアと内陸のエリアで特徴が分かれます。近年特に注目されているのが、海岸沿いの冷涼な産地です。
- カサブランカ・ヴァレー
- 太平洋からの冷たい海風の影響を強く受けるため、気候は冷涼です。じっくりと熟成するソーヴィニヨン・ブランやシャルドネといった白ワインの名産地として世界的に知られています。また、繊細なピノ・ノワールの栽培にも適しています。
- アコンカグア・ヴァレー
- 内陸部は温暖で、伝統的に高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンやシラーが栽培されていますが、沿岸部は「アコンカグア・コスタ」と呼ばれ、ミネラル感のある洗練されたワインが生み出されています。
主要産地2:セントラル・ヴァレー地域(王道の赤ワイン産地)
チリワインの歴史と生産量の中心となるのが、首都サンティアゴ周辺から南へ広がるセントラル・ヴァレー地域です。地中海性気候に恵まれ、多くの有名ワイナリーがこの地に拠点を置いています。
- マイポ・ヴァレー:チリワイン発祥の地とも言われ、「チリのボルドー」と称されることもあります。濃厚でバランスの良いカベルネ・ソーヴィニヨンの最高級産地として有名です。
- ラペル・ヴァレー(コルチャグア・ヴァレー):日照量が豊富で、凝縮感のあるフルボディの赤ワインが得意です。特にチリを代表する品種カルメネールや、シラーの評価が高い地域です。
- マウレ・ヴァレー:チリ最大の栽培面積を誇る南側のエリアです。古くからのブドウ畑が多く残り、近年では樹齢の高い「パイス種」や「カリニャン」を用いたワインが見直され、人気を博しています。
主要産地3:南部地域(冷涼気候が生むエレガントなワイン)
セントラル・ヴァレーよりさらに南、ビオビオ・ヴァレーやイタタ・ヴァレーを含むエリアです。降雨量が多く気温が低いため、ブドウがゆっくりと熟します。ここでは、リースリングやゲヴュルツトラミネールといったアロマティックな白ワインや、酸のきれいなスパークリングワイン、エレガントなスタイルの赤ワインが造られています。
産地別・主な特徴と代表品種まとめ
チリワインを選ぶ際は、ラベルに記載されている産地名(ヴァレー名)に注目すると、好みの味わいを見つけやすくなります。
| 地域(ヴァレー) | 気候の特徴 | 代表的な品種 |
|---|---|---|
| カサブランカ | 海風により冷涼 | ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワール |
| マイポ | 温暖で寒暖差大 | カベルネ・ソーヴィニヨン(赤の王道) |
| コルチャグア | 日照豊富で温暖 | カベルネ、カルメネール、シラー |
| マウレ | やや冷涼、古木が多い | カベルネ、カリニャン、パイス |
| ビオビオ / イタタ | 湿潤で冷涼 | リースリング、ピノ・ノワール、パイス |
「チリ産ワインはまずい」という噂は本当?失敗しない選び方
「チリ産ワインはまずい」という噂の真相とは?
インターネット上で「チリ産 ワイン まずい」や「チリ ワイン 臭い」といった検索キーワードを見かけて、購入をためらってしまう方もいるかもしれません。結論から言えば、現在のチリワインは世界的に見ても非常に品質が高く、「まずい」というのは過去のイメージや選び方のミスマッチによる誤解が大半です。
かつてチリワインが日本に輸入され始めた当初、極端に安価なテーブルワインの中に、品質が不安定なものや独特の香り(青臭さや土っぽさ)が強いものが混在していたことは事実です。また、チリワイン特有の濃厚な果実味や高いアルコール感が、繊細な味わいを好む人の口に合わず「飲み疲れる」「味が濃すぎる」と評価されることもありました。
しかし、現在は醸造技術が飛躍的に向上し、世界的なコンクールで最高賞を受賞するプレミアムワインも数多く生まれています。「安いからまずい」のではなく、「安くても美味しい」のが現代のチリワインの正体です。
実は農薬使用が少ない?チリワインの安全性
「安いワインは体に悪そう」「農薬が心配」という声も聞かれますが、実はチリはワイン用ブドウの栽培において、世界で最も理想的な環境の一つと言われています。
チリは乾燥した気候で、アンデス山脈や太平洋に囲まれた地形のため、害虫や病気が発生しにくいという特徴があります。そのため、他国に比べて農薬の使用量を極限まで抑えることが可能であり、オーガニックワイン(有機ワイン)の生産大国としても有名です。「チリ産ワインは安すぎて不安」と感じる必要はなく、むしろ自然に近い環境で作られた健全なワインが多いのです。
失敗しないチリワインの選び方3つのポイント
数あるチリワインの中から、自分好みの美味しい1本を見つけるための具体的な選び方をご紹介します。以下のポイントを押さえるだけで、満足度は格段に上がります。
1. ラベルの「格付け(グレード)」を確認する
チリワインには、熟成期間や品質に応じたグレード表記がラベルに記載されていることが多くあります。500円以下のワンコインワインも魅力的ですが、失敗したくない場合は「レゼルバ(Reserva)」以上のランクを選ぶのがおすすめです。
- ヴァラエタル(Varietal)
- 最もスタンダードなクラス。早飲みタイプでフレッシュな味わい。日常消費用。
- レゼルバ(Reserva)
- アルコール度数が一定以上あり、独自の熟成規定などをクリアしたワイン。果実味が豊かでバランスが良い。
- グラン・レゼルバ(Gran Reserva)
- さらに長い熟成期間を経た上級クラス。複雑味があり、1,000円台〜2,000円台でも高級ワインに引けを取らない味わいが楽しめる。
2. 「DO(原産地呼称)」の記載があるかチェック
ラベルに「D.O. Maipo Valley(マイポ・ヴァレー)」や「D.O. Colchagua Valley(コルチャグア・ヴァレー)」のように、具体的な産地名(DO)が記載されているワインは、その土地のブドウを一定比率以上使用している証明です。産地が明確なワインは品質管理もしっかり行われている傾向にあります。
3. 有名な大手メーカーやインポーターから選ぶ
チリワインには「コノスル(Cono Sur)」や「モンテス(Montes)」、「コンチャ・イ・トロ(Concha y Toro)」など、世界的に信頼されている大手ワイナリーが存在します。これらは低価格帯でも品質が安定しており、ハズレが少ないのが特徴です。また、エノテカなどのワイン専門店や信頼できるインポーターが取り扱う商品は、輸送時の温度管理(リーファーコンテナ使用など)が徹底されているため、熱劣化による「まずい」状態を避けることができます。
チリワインに関するよくある質問(当たり年・関税・コンビニでの購入など)
チリワインに「当たり年」やヴィンテージによる違いはありますか?
ワイン選びで気になるのが収穫年(ヴィンテージ)ですが、チリワインに関しては「ハズレ年」がほとんどないと言われています。チリは日照時間が長く、ブドウ栽培に適した「地中海性気候」が安定して続くため、毎年良質なブドウが収穫できるからです。
基本的にはどの年のワインを選んでも安定した美味しさを楽しめますが、中でも特に天候に恵まれ、専門家の評価が高い「当たり年(グレートヴィンテージ)」と呼ばれる年も存在します。
- 2018年:歴史的な良作と言われ、バランスの取れた高品質なワインが多い年です。
- 2013年・2005年:熟成能力の高い赤ワインが多く生産された年として知られています。
ヴィンテージチャートを過度に気にせずとも美味しいのがチリワインの魅力ですが、特別な1本を選ぶ際はこれらの年号をチェックしてみると良いでしょう。
チリ産ワインがこれほど安い理由は何ですか?関税はかからないのですか?
チリワインが「安くて美味しい」と言われる背景には、明確な理由がいくつかあります。
- 関税の撤廃
- 日本とチリの間で結ばれた経済連携協定(EPA)により、ワインの輸入関税は段階的に引き下げられ、2019年4月1日に完全撤廃されました。これにより、フランスやイタリアなどの欧州産ワインに比べて輸入コストが大幅に抑えられています。
- 恵まれた栽培環境による低コスト化
- チリは乾燥した気候のため病害虫の被害が少なく、ブドウの樹を枯らす害虫「フィロキセラ」の影響も受けていません。そのため、接ぎ木の手間や農薬のコストが他国よりも少なく済みます。
- 人件費と土地代
- ワイン大国であるフランスやアメリカに比べ、人件費や土地のコストが比較的安価であることも、リーズナブルな価格設定に繋がっています。
コンビニやスーパーで買えるおすすめのチリワインはありますか?
日本のコンビニエンスストアやスーパーマーケットは、チリワインの宝庫です。特に以下の店舗や銘柄は入手しやすく、日常の食卓に最適です。
- セブンイレブン:オリジナルブランドの「アンデス・キーパー」や、手頃な価格帯のチリ産ボトルが充実しています。
- ローソン・ファミリーマート:小容量のボトルや、有名ブランド「カッシェロ・デル・ディアブロ」などを取り扱っていることが多く、仕事帰りに気軽に購入できます。
- スーパー・業務スーパー:「アルパカ(サンタ・ヘレナ)」や「コノスル」といった圧倒的なシェアを誇る銘柄は、ほとんどのスーパーで手に入ります。特に「コノスル」のビシクレタ・レゼルバシリーズは、品種ごとの特徴が分かりやすく初心者にもおすすめです。
「チリワインはまずい」「頭が痛くなる」という噂は本当ですか?
インターネット上で「チリ産ワイン まずい」「頭痛がする」といった検索ワードを見かけることがありますが、これは誤解や飲み過ぎによる影響がほとんどです。
かつて極端に安価な輸入ワインが出回った際の「安かろう悪かろう」というイメージが残っている場合もありますが、現在のチリワインは世界的なコンクールで賞を総なめにするほど品質が向上しています。また、「酸化防止剤(亜硫酸塩)が多いから頭が痛くなる」という説についても、チリ産ワインが他国のワインと比べて特別に添加物が多いという事実はありません。
むしろチリは、乾燥した気候のおかげでカビや病気が発生しにくいため、オーガニック栽培(有機栽培)が盛んな国でもあります。自然派ワインやオーガニックワインを選びたい方にとっても、チリは非常に有力な選択肢と言えるでしょう。