ナチュールワイン(自然派ワイン)とは?定義と特徴をわかりやすく解説
ナチュールワイン(自然派ワイン)の基本的な意味と定義
近年、レストランやバルでよく耳にする「ナチュールワイン」や「ナチュラルワイン」。これらはフランス語の「ヴァン・ナチュール(Vin Nature)」に由来する言葉で、日本語では「自然派ワイン」とも呼ばれます。
実は、ナチュールワインには世界共通の厳密な法的定義が長らく存在しませんでした(フランスなど一部では近年認証制度が始まっています)。しかし、生産者や愛好家の間では、一般的に以下の条件を満たすものをナチュールワインと認識しています。
- ブドウ栽培
- 化学肥料、農薬、除草剤を使用せず、有機栽培(オーガニック)やビオディナミ農法で育てられた健全なブドウを使用すること。
- 醸造(発酵)
- 培養酵母(人工的な酵母)を添加せず、ブドウの皮や蔵に住み着いている「野生酵母」の力だけで自然発酵させること。
- 添加物
- 酸化防止剤(亜硫酸塩/SO2)の使用を極力控える、あるいは完全無添加(サンスフル)で造ること。補糖や補酸などの人工的な調整を行わないこと。
- 濾過(ろか)
- ブドウ本来の旨味や風味を残すため、瓶詰め前の濾過や清澄を最小限にする、または行わない(ノンフィルター)こと。
一般的なワインと何が違う?ナチュールワインの主な特徴
一般的なワイン(クラシックワイン)が、安定した品質や伝統的なスタイルを保つために醸造技術を駆使して管理されるのに対し、ナチュールワインは「ブドウ本来の力」や「その土地の風土(テロワール)」をありのまま表現することを重視しています。
そのため、ナチュールワインには以下のようなユニークな特徴が見られます。
- 味わい:ブドウジュースのようなピュアな果実味や、出汁(だし)のような染み渡る旨味を感じるものが多い傾向にあります。酸味が際立つものや、酵母が生きていることによる微発泡感を楽しめるものもあります。
- 見た目:無濾過で瓶詰めされることが多いため、ワインに濁りがあったり、瓶底に澱(おり)が溜まっていたりすることがありますが、これらは品質不良ではなく旨味の成分です。
- 香り:時に「還元臭」と呼ばれる独特の香り(ビオ臭)がする場合もありますが、スワリング(グラスを回すこと)して空気に触れさせることで香りが開き、複雑な風味に変化することがあります。
- エチケット(ラベル):生産者の自由な感性が反映された、アーティスティックで個性的なデザインが多いのも魅力の一つです。
なぜ今、ナチュールワインが人気なのか
ナチュールワインが世界中でブームとなっている背景には、食の安全性への関心や、環境負荷を減らしたいというサステナブルな意識の高まりがあります。「二日酔いしにくい」「体にスッと入ってくる優しい味わい」といった体感的な感想を持つ人が多いことも、支持される理由の一つでしょう。
画一的な工業製品のようなワインではなく、その年の気候や造り手の哲学がダイレクトに反映された、ボトルごとに異なる「一期一会」の味わいが多くのファンを魅了しています。
初心者でも失敗しない!ナチュールワインのおすすめの選び方
ナチュールワイン(自然派ワイン)は、一般的なワインに比べて味わいの個性が強く、ラベルに詳細な情報が書かれていないことも多いため、「どれを選べばいいかわからない」「独特な香りが苦手だったらどうしよう」と不安に思う方も多いでしょう。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、自分好みの1本に出会う確率はぐっと上がります。ここでは、初心者でも失敗しないナチュールワインの選び方や見分け方をご紹介します。
エチケット(ラベル)のデザインで「ジャケ買い」してみる
ナチュールワインの最大の特徴の一つは、自由でアーティスティックなエチケット(ラベル)です。生産者の個性が反映されており、手書きのイラストやポップなデザイン、抽象画のようなものまで様々です。
実は、ナチュールワインにおいて「ラベルの雰囲気と味わいはリンクしている」ことがよくあります。例えば、優しいタッチのイラストなら柔らかく飲みやすい味、力強いデザインなら野性味あふれる味といった傾向があります。難しく考えず、直感で気に入ったラベルを選ぶ「ジャケ買い」も、ナチュールワインならではの楽しい選び方です。
「オレンジワイン」や「微発泡」などスタイルで選ぶ
赤ワインや白ワインといった従来の枠組みに加え、ナチュールワインでは多様なスタイルが人気です。特に初心者が試しやすいカテゴリーには以下のようなものがあります。
- オレンジワイン:白ブドウを赤ワインのように果皮ごと発酵させて造るワイン。アプリコットや紅茶のような風味があり、幅広い料理に合います。
- ペットナット(微発泡):田舎方式と呼ばれる製法で造られたスパークリングワイン。酵母の澱(おり)が残っていることが多く、濁りのある旨味と優しい泡が特徴です。
- 薄旨(うすうま)系の赤:色が薄く、出汁のような旨味がある赤ワイン。渋みが少なくスルスルと飲めるため、「ナチュールワインは飲みやすい」と感じる入り口として最適です。
信頼できるインポーター(輸入元)をチェックする
ナチュールワインには、公的な認証マークがついていないことも多く、見た目だけで判断するのが難しい場合があります(見分け方の一つとして、ボトルの底に澱があるか確認する方法もあります)。そこで役立つのが、ボトルの裏ラベルに記載されているインポーター(輸入元)の情報です。
ナチュールワインを専門に扱うインポーターは、現地で生産者と信頼関係を築き、徹底した温度管理(リーファーコンテナ等)で日本へ運んでいます。いくつかの有名なインポーター名を覚えておくと、品質の高いワインを選ぶ際の大きな指針になります。
産地で選ぶ:フランスや日本のナチュールに注目
迷ったときは、ナチュールワイン造りが盛んな産地から選ぶのも一つの手です。
- フランス(特にロワール地方など)
- ナチュールワインの聖地とも呼ばれ、種類が豊富です。比較的リーズナブルで飲み心地の良いものから、偉大な生産者のワインまで幅広く揃っています。
- 日本(山梨、北海道、山形など)
- 近年、日本のナチュールワインは非常にレベルが上がっています。日本固有の品種(甲州やマスカット・ベーリーAなど)を使ったワインは、和食や日常の食卓に寄り添う繊細な味わいが魅力です。
ショップやレストランでの失敗しない頼み方
専門店やレストランでオーダーする際は、専門知識を持つスタッフ(ソムリエ)に相談するのが一番の近道です。その際、以下のポイントを伝えるとスムーズです。
- 好みの味わい:「酸味が穏やかなもの」「果実味がしっかりしているもの」など。
- 苦手な要素:「独特な還元臭(豆っぽい香りや硫黄のような匂い)が苦手」「酸っぱすぎるのは避けたい」と正直に伝えることが失敗を防ぐコツです。
- 予算:ナチュールワインは手間がかかるため、激安ワインは少ないですが、2,000円〜3,000円台でも十分に美味しいものが見つかります。「安いけれどコスパの良いものを」と相談してみましょう。
自分の好みを少しずつ言語化していくことで、ナチュールワインの世界はどんどん広がっていきます。まずは気になった1本を手に取り、その個性豊かな味わいを楽しんでみてください。
【話題の店】名古屋「レストランミュー」や東京・恵比寿でナチュールワインが楽しめる人気店
ナチュールワイン(自然派ワイン)は、その土地ごとのテロワールや造り手の個性が色濃く反映されるため、レストランやバルで料理と共に楽しむことでその魅力がさらに引き立ちます。ここでは、特に検索需要の高い名古屋の注目店や、東京の激戦区である恵比寿エリアを中心に、美味しいナチュールワインに出会える話題のお店をご紹介します。
名古屋・栄で注目を集める「レストランミュー(μ)」
名古屋エリア、特に栄周辺でナチュールワインを楽しみたいという方に圧倒的な支持を得ているのが、「Restaurant μ(レストラン ミュー)」です。このお店は、洗練された空間でこだわりの料理と厳選されたワインのペアリングを楽しめることから、多くのワイン愛好家が訪れています。
「レストランミュー」の大きな特徴は、食材の持ち味を最大限に引き出したイノベーティブな料理と、それに寄り添う優しい味わいのナチュールワインの組み合わせです。実際に訪れた人のレビューでも、ソムリエによる的確なワイン提案や、季節ごとに変わる独創的なメニューへの評価が高く、特別な日のディナーやワイン好き同士の会食に最適です。
- ロケーション: 名古屋・栄エリアに位置し、アクセスも良好。
- ワインの品揃え: フランス産を中心に、世界各国の個性豊かなナチュールワインをラインナップ。
- 楽しみ方: グラスでの提供も充実しており、料理一皿ごとに異なるワインを合わせるペアリング体験が人気です。
東京・恵比寿はナチュールワインの聖地!立ち飲みからレストランまで
東京において恵比寿は、ナチュールワインを提供する飲食店が密集する屈指のエリアです。カジュアルなスタンド形式のバーから、本格的なコース料理を提供するレストランまで、多種多様なスタイルのお店が軒を連ねています。
特に近年注目されているのが、仕事帰りや0次会などで気軽に立ち寄れる「角打ち」や「スタンドバー」のスタイルです。例えば、線路沿いにある「ナチュールワインスタンド センロギワ」(東京都渋谷区恵比寿南)などは、ふらりと立ち寄って一杯から楽しめる手軽さが人気を博しています。
また、恵比寿周辺には飲み放題プランにナチュールワインを含めている太っ腹なお店や、中華料理や焼き鳥といったジャンルとナチュールワインを掛け合わせたユニークな業態も増えています。
- 恵比寿エリアの楽しみ方
- まずは「スタンド」や「バル」で軽く一杯試し、気に入った造り手のボトルがあれば、近くのワインショップで購入して帰るという使い方もおすすめです。
渋谷・新宿・中目黒など都内の人気エリアもチェック
恵比寿以外にも、東京にはナチュールワインの名店が点在しています。エリアごとの特徴を押さえて、シーンに合わせたお店選びを楽しみましょう。
- 渋谷・神泉エリア: 若手シェフによる活気あるビストロが多く、「オレンジワイン」の品揃えが豊富な店も目立ちます。友人とのカジュアルな飲み会に最適です。
- 新宿・新宿三丁目: 交通の便が良く、世界中のナチュールワインをグラスで飲み比べできるお店や、昼飲みができるスポットが充実しています。
- 中目黒・三軒茶屋: おしゃれな内装の店舗が多く、デートや女子会に人気。中華や和食など、各国の料理とナチュールワインの意外なマリアージュを提案する店が増えています。
これらのお店では、単にワインを飲むだけでなく、店主やソムリエから「生産者のストーリー」や「エチケット(ラベル)の意味」を聞くことができるのも醍醐味の一つです。ぜひ、お気に入りの一軒を見つけてみてください。
自宅で楽しむ!ナチュールワインの通販・販売店・ショップ情報(カルディなど)
身近な店舗で探す:カルディ・成城石井・スーパー
近年、ナチュールワイン(ナチュラルワイン)は特別な専門店に行かなくても手に入るようになってきました。特にカルディや成城石井、イオン、やまやといった身近な食料品店や酒販店での取り扱いが増えています。
中でもカルディは、「ナチュールワイン」や「オレンジワイン」をリーズナブルな価格で販売しており、初心者でも手に取りやすいラインナップが魅力です。店頭では「自然派」「オーガニック」「ビオ」といったPOPが目印になります。また、一部のセブンイレブンなどのコンビニやスーパーでも取り扱いが始まっていますが、店舗によって品揃えに差があるため、確実に購入したい場合は大型店舗をチェックするのがおすすめです。
種類豊富な通販・ネットショップを活用する
近くに販売店がない場合や、より多くの種類から選びたい場合は、通販やネット販売が非常に便利です。楽天やAmazonなどの大手ECサイトには多くのワインショップが出店しており、レビューやランキングを参考にしながら好みの1本を探すことができます。エノテカなどの大手ワイン専門店もオンラインでの販売に力を入れています。
さらに、ナチュールワインに特化した専門のオンラインショップや、信頼できるインポーター(輸入業者)のサイトを利用するのも良い方法です。プロが厳選したワインが届くサブスク(定期便)や、お得な福袋、セット販売を利用すれば、自分で選ぶ手間を省きつつ新しい味に出会うことができます。
プロに相談できる専門店・酒屋で購入する
失敗せずに美味しいナチュールワインを選びたいなら、やはりナチュールワイン専門店やこだわりのある酒屋に足を運ぶのがベストです。東京(渋谷、恵比寿、新宿など)や大阪、名古屋、福岡、札幌といった主要都市には、個性的なショップが数多く存在します。
専門店で購入する最大のメリットは、店主やソムリエに直接相談できることです。「酸味が穏やかなものがいい」「プレゼント用に探している」などと伝えれば、膨大な在庫の中から最適なものを提案してくれます。また、角打ち(店内試飲)ができるショップなら、実際に味を確かめてから購入できるため、ナチュールワイン特有の個性が強すぎるものを選んでしまうリスクも減らせます。
購入場所ごとの特徴まとめ
| 購入場所 | 特徴 | おすすめのシーン |
|---|---|---|
| カルディ・成城石井 | 手頃な価格で買いやすい。 | 毎日の食事や家飲みに |
| 通販・ECサイト | 種類が豊富で自宅に届く。 | まとめ買いやレアな銘柄探しに |
| 専門店・酒屋 | プロのアドバイスが聞ける。 | ギフトや自分好みの探求に |
「まずい」は誤解?ナチュールワイン独特の味わいと「オレンジワイン」の魅力
「まずい」「臭い」と感じてしまう理由とは?
初めてナチュールワインを口にしたとき、「酸っぱい」「馬小屋のような臭いがする」「濁っている」といった理由から、「まずい」と感じてしまう方がいます。しかし、これはワインが劣化しているわけではなく、ナチュールワイン特有の製造工程に由来する個性であることがほとんどです。
一般的なワインと異なり、酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用を極力抑え、野生酵母で自然発酵させるナチュールワインは、ブドウ本来の生命力や微生物の働きがダイレクトに味わいに反映されます。そのため、以下のような独特な風味が現れることがあります。
- 還元臭(ビオ臭)
- マッチを擦った直後のような硫黄の匂いや、ゆで卵のような独特な香りです。これは酸化防止剤を使わない環境下で、酵母が酸素不足になった際に発生しやすい現象です。抜栓して空気に触れさせたり、グラスを回(スワリング)したりすることで香りが開き、不快な匂いが消えることがよくあります。
- 揮発酸(ビネガー香)
- お酢のようなツンとした酸味を感じることがあります。適度な酸味はワインにフレッシュさを与えますが、強すぎると「酸っぱい」と感じる原因になります。これも自然な発酵プロセスにおける微生物の活動によるものです。
- 豆臭(マメ)
- 抜栓して時間が経つと、茹でた大豆や雑巾のような独特のニュアンスを感じることがあります。これは「マメる」とも表現され、一部の愛好家を除き、一般的にはオフフレーバー(欠陥臭)として敬遠される要素です。苦手な方は、抜栓直後のフレッシュなうちに飲み切ることをおすすめします。
濁りや澱(おり)は旨味の証
ナチュールワインの多くは、ブドウ本来の味わいを損なわないよう、瓶詰め前にフィルターによる濾過(ろか)や清澄剤の使用を行いません。そのため、グラスに注ぐと液体が濁っていたり、瓶底に澱(おり)が沈殿していたりすることがあります。
一見すると品質が悪そうに見えるかもしれませんが、この濁り成分にはブドウの旨味や香りの成分が凝縮されています。「濁り」もまた、ナチュールワインならではの複雑で滋味深い味わいを楽しむための重要な要素なのです。
ナチュール界隈で大人気!「オレンジワイン」の魅力
ナチュールワインを語る上で欠かせないのが、近年世界中でブームとなっている「オレンジワイン」です。「オレンジで作ったワイン」と誤解されがちですが、原料は白ワインと同じ「白ブドウ」です。
通常、白ワインは果汁のみを発酵させますが、オレンジワインは赤ワインのように「果皮や種」も一緒に漬け込んで発酵(醸し)させます。これにより、果皮由来の色素が溶け出し、美しいオレンジ色(アンバーカラー)に仕上がります。
ナチュールワインの生産者の多くがこの伝統的な製法を取り入れているため、「ナチュールワインといえばオレンジワイン」と連想されることも多くなっています。
オレンジワインの特徴と味わい
- 色合い:薄い黄金色から琥珀色、濃い紅茶色まで様々。
- 香り:アプリコットやオレンジピール、紅茶、スパイスなどの複雑なアロマ。
- 味わい:白ワインの爽やかさに加え、赤ワインのような渋み(タンニン)とコクがある。
- ペアリング:和食(出汁やお醤油)、中華料理、エスニック、揚げ物など、白ワインでは負けてしまう料理とも相性抜群。
「ナチュールワインは癖が強くて苦手」という方でも、オレンジワインならその芳醇な香りと飲みごたえに魅了されるケースも少なくありません。特に、酸化防止剤無添加で造られるナチュールスタイルのオレンジワインは、身体に染み渡るような優しい飲み口が特徴です。
自分好みの1本を見つけるために
ナチュールワインには、「酸味が際立つもの」から「果実味が豊かなもの」、「出汁のようにじんわり広がるもの」まで、驚くほど多様な味わいがあります。「まずい」と感じた経験がある方は、たまたまその1本が自分の好みやコンディションに合わなかっただけかもしれません。
ショップやレストランで注文する際は、「ナチュールワイン初心者ですが、癖が少なくて飲みやすいものを」「酸味が穏やかなものを」とソムリエや店員さんに相談してみましょう。きっと、これまでのワインの常識を覆すような、美味しい出会いが待っています。
オーガニックワインやビオワインとの違い・見分け方
「ナチュール」「オーガニック」「ビオ」それぞれの定義と違い
ワインショップやレストランでよく目にする「ナチュールワイン」「オーガニックワイン」「ビオワイン」という言葉。これらは似ているようで、実は重視しているポイントや定義が異なります。最も大きな違いは、「ブドウの栽培方法」に重きを置いているか、それとも「醸造過程」まで含めて自然な造りを徹底しているかという点にあります。
- オーガニックワイン(有機ワイン)
- 主に「ブドウの栽培方法」に関する基準を満たしたワインです。化学肥料や農薬、除草剤を使用せずに育てたブドウを使っています。公的な認証機関(EUのユーロリーフや日本の有機JASなど)の基準があり、認証マークが付いていることが多いのが特徴です。ただし、醸造過程での酸化防止剤(亜硫酸塩)の使用に関しては、一定量まで認められている場合があります。
- ビオワイン(Bioワイン)
- 一般的にはオーガニックワインと同義で使われることが多い言葉ですが、さらに厳格な「ビオディナミ農法(バイオダイナミクス)」を取り入れたワインを指すこともあります。ビオディナミは、天体の動きに合わせて栽培作業を行ったり、自然由来の調合剤を使用したりする独特な農法です。「デメター(Demeter)」などの認証機関が存在します。
- ナチュールワイン(ナチュラルワイン)
- オーガニックやビオの農法で育てたブドウを使うことは大前提として、さらに「醸造過程」においても人為的な介入を極力排除したワインを指します。培養酵母を使わず天然酵母で発酵させたり、補糖や補酸を行わなかったり、フィルターろ過をしないことが一般的です。特に酸化防止剤(SO2)については、無添加またはごく微量の使用に留めるのが最大の特徴です。
それぞれの違いを整理すると以下のようになります。
| 種類 | 主な焦点 | 酸化防止剤(SO2) | 公的認証 |
|---|---|---|---|
| オーガニックワイン | 有機栽培 | 使用制限はあるが許可 | あり(ユーロリーフ等) |
| ビオワイン (ビオディナミ含む) |
有機・自然農法 | 使用制限あり(厳格) | あり(Demeter等) |
| ナチュールワイン | 栽培+自然な醸造 | 無添加 または 極微量 | 明確な統一基準は少ない (独自団体や新認証あり) |
ラベルや外観で見極める!ナチュールワインの見分け方
ナチュールワインには世界共通の単一な認証マークが存在しないため、ボトルを見ただけで判断するのが難しい場合があります。しかし、いくつかのポイントをチェックすることで、ナチュールワインである可能性が高いかを見分けることができます。
- 認証マークを確認する
ナチュールワインそのものの認証ではありませんが、有機栽培の証である「ユーロリーフ(EU)」や「ABマーク(フランス)」、ビオディナミの「Demeter(デメター)」や「Biodyvin(ビオディヴァン)」のマークがあるかを確認します。これらはナチュールワインのベースとなる要素です。また、近年フランスで制定された「ヴァン・メトード・ナチュール(Vin Méthode Nature)」のロゴがあれば、公的に認められたナチュールワインと言えます。 - 裏ラベルの原材料表示を見る
輸入元の裏ラベル(日本語ラベル)を確認し、原材料名に「酸化防止剤(亜硫酸塩)」の記載がない、または「酸化防止剤含有」と書かれていてもインポーターの説明書きに「無添加」や「極微量」と特記されている場合があります。 - ワインの外観(濁り・澱)
ナチュールワインの多くは、風味を残すためにフィルターろ過(清澄・濾過)を行いません。そのため、ボトルの底に澱(おり)が溜まっていたり、液体が少し濁っていたりすることがあります。これは品質劣化ではなく、ナチュール特有の「旨味」の証でもあります。 - インポーター(輸入元)で選ぶ
ナチュールワインを専門に扱うインポーター(ラシーヌ、ヴォルテックス、ヴィナイオータなど)の取り扱いであれば、信頼できるナチュールワインである確率が非常に高いです。
「オーガニックだからナチュールだろう」と混同せず、醸造方法やインポーターの情報を手掛かりに、自分好みの1本を見つけてみてください。
ナチュールワインの美味しい飲み方・保存方法・賞味期限【よくある質問】
ナチュールワインを最高に楽しむ「温度」と「飲み方」
ナチュールワイン(自然派ワイン)は、一般的なワインに比べて繊細な味わいを持つものが多く、提供温度によってその表情が大きく変わります。基本的には、白ワインやスパークリング、オレンジワインはしっかりと冷やして(8〜12℃程度)から飲み始めるのがおすすめです。温度が徐々に上がるにつれて香りが開き、果実味や複雑な旨味が感じられるようになります。
赤ワインの場合も、ナチュールワインは渋みが少なく軽やかなタイプが多いため、常温(特に日本の夏場の室温)よりも少し冷やし気味(14〜16℃程度)で楽しむのが主流です。冷蔵庫の野菜室などで冷やしておき、飲む少し前に取り出すくらいが丁度良いでしょう。冷やすことで酸が引き締まり、スムーズな飲み口を楽しめます。
独特の「澱(おり)」や「濁り」はどうする?
ナチュールワインの特徴として、ボトルの底に沈殿物(澱)があったり、ワイン自体が濁っていたりすることがあります。これは、ワイン本来の風味や微生物の働きを残すために「無濾過・無清澄」で造られている証拠であり、品質の劣化ではありません。旨味の塊とも言える要素ですので、以下の2通りの飲み方で楽しんでみてください。
- 静かに注ぐ:澱を舞い上がらせないようにそっと注ぎ、クリアな味わいを楽しむ。
- 混ぜて飲む:ボトルの最後の方はあえて澱を混ぜ、濃厚な旨味や独特のテクスチャーを楽しむ。
ナチュールワインの保存方法と賞味期限
酸化防止剤(亜硫酸塩)の添加量が少ない、あるいは無添加のナチュールワインは、温度変化や振動に敏感です。未開封・開封後にかかわらず、デリケートな扱いが求められます。
家庭での保存場所
ワインセラーがない場合は、冷蔵庫の野菜室が最適です。一般的な冷蔵室よりも温度が極端に低すぎず(冷えすぎると熟成が止まることがありますが、家庭での短期保管なら問題ありません)、乾燥もしにくいためです。特に日本の夏場は高温多湿になるため、常温放置は避け、必ず冷暗所で保管しましょう。
賞味期限と開封後の日持ち
ワインに法的な賞味期限はありませんが、「美味しく飲める期間」は存在します。ナチュールワインは抜栓後の酸化スピードが予測しにくい側面があります。基本的には開封後、冷蔵庫保存で2〜3日以内に飲み切るのが目安です。
一方で、抜栓直後は香りが閉じていても、翌日や2日後に開いて美味しくなることもあります。日ごとの味の変化を楽しむのもナチュールワインの醍醐味ですが、酸っぱくなりすぎたり風味が落ちたと感じたら、料理酒として活用するのも一つの手です。
【よくある質問】二日酔い・悪酔い・豆臭について
- ナチュールワインは二日酔いしにくいって本当?
- 「ナチュールワインは悪酔いしない」「翌日に残らない」「酔わない(酔い心地が良い)」という声をよく耳にします。医学的に完全に立証されているわけではありませんが、酸化防止剤(SO2)などの添加物が極力抑えられているため、体への負担が少ないと感じる愛好家が多いようです。ただし、アルコール度数は通常のワインと同等ですので、飲み過ぎには注意が必要です。
- 「豆」っぽい匂いがするのですが、これは劣化ですか?
- いわゆる「豆り(まめり)」と呼ばれる現象で、特定の微生物の働きにより、枝豆やゆで汁のような独特の香ばしい匂いが発生することがあります。劣化というよりはナチュールワイン特有の状態変化の一つです。不快に感じる場合は、しっかりと冷やして早めに飲むことで気にならなくなることが多いです。空気に触れると強まることがあるため、豆のニュアンスを感じたら時間を置かずに飲み切ることをおすすめします。