ワインの味は「ぶどう品種」で決まる!特徴と一覧チャート
ワインの味わいは原料である「ぶどう」が8割
ワインは、水や穀物を主原料とするビールや日本酒とは異なり、ぶどう果汁のみを発酵させて造られるお酒です。そのため、原料となる「ぶどう品種」の個性が、そのままワインの香りや味わい、色調にダイレクトに反映されます。
「ワインの品種」を知ることは、自分の好みの味を見つけるための最短ルートです。例えば、渋みがしっかりした赤ワインが好きなら「カベルネ・ソーヴィニヨン」、すっきりとした酸味の白ワインが好きなら「ソーヴィニヨン・ブラン」といったように、品種ごとの特徴を把握することで、レストランやショップでのワイン選びが劇的にスムーズになります。ワインの味は、まさに「ぶどう品種で決まる」と言っても過言ではありません。
【保存版】代表的なワイン品種の特徴一覧チャート
世界には数千種類のワイン用ぶどう品種が存在しますが、まずは世界中で広く栽培されている「主要品種」を押さえるのがポイントです。ここでは、赤ワイン・白ワインそれぞれの代表的な品種と、その味わいの特徴を一覧チャートにまとめました。
赤ワイン用ぶどう品種の傾向
| 品種名 | ボディ・味わい | 主な特徴・香り |
| カベルネ・ソーヴィニヨン | フルボディ | 「赤ワインの王様」。渋み(タンニン)と酸味が強く、濃厚な味わい。カシスやミントの香り。 |
| メルロー | ミディアム~フル | 渋みは穏やかで口当たりがまろやか。プラムやダークチェリーのふくよかな果実味。 |
| ピノ・ノワール | ライト~ミディアム | 「赤ワインの女王」。透明感のある色合いと美しい酸味。イチゴやバラの華やかな香り。 |
| シラー(シラーズ) | フルボディ | スパイシーで野性的。黒コショウや革、濃縮したベリーのパンチのある味わい。 |
白ワイン用ぶどう品種の傾向
| 品種名 | 酸味・甘辛 | 主な特徴・香り |
| シャルドネ | 多様(辛口~コクあり) | 「白ワインの女王」。産地や醸造法で味が変化。レモンからバター、バニラまで幅広い風味。 |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 酸味強め・辛口 | ハーブや柑橘類、青草のようなフレッシュで爽快な香り。夏にぴったりの清涼感。 |
| リースリング | 酸味強め・甘口~辛口 | 鋭く上品な酸味が特徴。リンゴや白い花、熟成すると石油のような独特の香り(ペトロール香)も。 |
| 甲州 | 穏やか・辛口 | 日本固有品種。控えめな酸味と柑橘系の香り。繊細な和食の出汁の味を邪魔しない。 |
品種の個性を理解するためのポイント
ワインの品種チャートを見る際は、以下の要素に注目すると味のイメージが湧きやすくなります。
- 皮の厚さ(赤ワイン):皮が厚い品種ほど色が濃く、渋み(タンニン)が強くなります。
- 栽培地域の気候:冷涼な地域では酸味がきれいに残り、温暖な地域では糖度が上がり果実味が豊かになります。
- 香りのタイプ:フルーツ系、花系、スパイス系など、品種ごとの「アロマ」を知ることが重要です。
まずはこの一覧にある主要品種から飲み比べを行い、自分の舌で「品種ごとの違い」を体感してみてください。お気に入りの品種が見つかれば、ワインの世界はもっと楽しくなります。
【白ワイン】代表的なぶどう品種チャートと人気ランキング
白ワインの味わいは「酸味」と「香り」で決まる
白ワイン用のぶどう品種は、黒ぶどうに比べて皮の色が薄く、主に果汁のみを発酵させて造られます。そのため、赤ワインのような渋み(タンニン)は少なく、品種ごとの「酸味の強さ」「香りの華やかさ」「果実味」がダイレクトに味わいに影響します。まずは、自分の好みが「すっきり辛口(酸味が強い)」なのか「コクのある濃厚タイプ(ボディが重い)」なのか、あるいは「フルーティーな甘口」なのかを知ることが重要です。
【一覧表】白ワイン品種の特徴チャート
世界中で愛されている代表的な白ワイン品種を、味わいの傾向で分類しました。レストランやショップで選ぶ際の参考にしてください。
| 品種名 | 酸味 | ボディ | 主な特徴・香り |
|---|---|---|---|
| シャルドネ | 中〜強 | 中〜重 | 産地や熟成方法で変化。レモンからバター、ナッツまで多様。 |
| ソーヴィニヨン・ブラン | 強 | 軽〜中 | ハーブや柑橘系の爽やかな香り。キリッとした辛口。 |
| リースリング | 強 | 軽〜中 | 白い花や蜂蜜、リンゴの香り。辛口から極甘口まで幅広い。 |
| ゲヴュルツトラミネール | 弱〜中 | 中〜重 | ライチやバラの強烈なアロマ。スパイシーで個性的。 |
| 甲州 | 中 | 軽 | 日本固有品種。柑橘系の香りで和食に合う繊細な味わい。 |
白ワイン用ぶどう品種 人気ランキングTOP3
数ある品種の中でも、特に知名度が高く、初心者でも違いがわかりやすい「3大品種」をランキング形式で解説します。まずはこの3つを飲み比べるのがおすすめです。
- 【1位】シャルドネ(Chardonnay)
- 「白ワインの女王」とも呼ばれる、最も有名な品種です。シャルドネ自体には強烈な個性がないため、栽培地の気候や醸造家の技術(樽熟成の有無など)が色濃く反映されます。フランスのシャブリ地区のようなキリッとした辛口から、カリフォルニアのような樽香の効いた濃厚なタイプまで、千差万別の味わいが楽しめます。
- 【2位】ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)
- グラスに注いだ瞬間から立ち上る、ハーブやグレープフルーツのようなフレッシュな香りが特徴です。酸味がしっかりしており、清涼感があるため、暑い季節や前菜、サラダとの相性が抜群です。「若草の香り」と表現されることも多く、すっきりした辛口白ワインを好む方におすすめです。
- 【3位】リースリング(Riesling)
- ドイツやフランスのアルザス地方が有名な産地です。透明感のある鋭い酸味と、熟した果実の甘みのバランスが絶妙です。辛口はミネラル感がありエレガント、甘口はデザートワインとしても人気があります。長期熟成にも向いており、熟成すると石油のような独特の香り(ペトロール香)を放つこともあります。
好みの白ワインを見つけるためのヒント
品種の特徴を押さえたら、次は「合わせる料理」や「シチュエーション」で選んでみましょう。
- 魚介料理や和食には:酸味が穏やかで繊細な「甲州」や、ミネラル豊富な「シャブリ(シャルドネ)」がよく合います。
- ハーブを使った料理やサラダには:青々しい香りのある「ソーヴィニヨン・ブラン」がベストマッチです。
- スパイシーな料理や中華には:香りが華やかで少し甘みを感じる「ゲヴュルツトラミネール」や「リースリング」がおすすめです。
まずはこの主要品種から試してみて、自分の「推し品種」を見つけてみてください。
【赤ワイン】これだけは知っておきたい有名品種と味の違い
赤ワインの味わいは、使用される「黒ブドウ」の品種によって大きく左右されます。特に赤ワイン選びで重要になるのが、渋み成分である「タンニン」の量と、酸味、そしてアルコール感を含めた全体的な「ボディ(重さ)」です。
ここでは、世界中で愛されている代表的な赤ワイン用ブドウ品種をピックアップし、その味の違いや特徴を解説します。これらを知っておくだけで、レストランやショップでのワイン選びがぐっと楽しくなります。
赤ワインの王様「カベルネ・ソーヴィニヨン」
世界で最も有名な赤ワイン用品種と言えば、カベルネ・ソーヴィニヨンです。「赤ワインの王様」とも称され、フランスのボルドー地方をはじめ、カリフォルニアやチリなど世界各地で栽培されています。
最大の特徴は、しっかりとした渋み(タンニン)と酸味があり、色が濃く、重厚な味わい(フルボディ)になることです。カシスやブラックベリーのような黒い果実の香りや、熟成すると杉やミントのような清涼感のあるニュアンスも感じられます。
- 味わい:フルボディ(重口)
- 特徴:強い渋み、凝縮感のある果実味、長期熟成向き
- 合う料理:ステーキ、ハンバーグ、牛肉の赤ワイン煮込み
ふくよかで滑らか「メルロー」
カベルネ・ソーヴィニヨンと並んでボルドー地方の主要品種であるメルローは、よりふくよかで口当たりが優しいのが特徴です。カベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされることも多く、角のある渋みを和らげる役割も果たします。
プラムやダークチェリーのような果実味が豊かで、渋みはシルクのように滑らかです。酸味も穏やかなため、「赤ワインの渋みが苦手」という方や初心者にもおすすめできる品種です。
繊細でエレガント「ピノ・ノワール」
フランス・ブルゴーニュ地方の主要品種であるピノ・ノワールは、カベルネとは対照的な個性を持っています。果皮が薄いためワインの色調は淡く美しいルビー色になり、渋みは少なめで、豊かな酸味が際立ちます。
イチゴやラズベリー、チェリーといった赤い果実の華やかな香りが特徴で、「エレガント」「官能的」と表現されることもあります。栽培が難しく、気候や土壌の影響をダイレクトに受けるため、土地ごとの個性を楽しむのに適した品種です。
- 味わい:ミディアムボディ~ライトボディ
- 特徴:きれいな酸味、控えめな渋み、複雑で華やかな香り
- 合う料理:鴨肉のロースト、焼き鳥(タレ)、マグロの赤身
スパイシーで力強い「シラー(シラーズ)」
フランスのローヌ地方原産のシラーは、濃厚で力強い味わいが特徴です。オーストラリアではシラーズと呼ばれ、同国の代表的な品種として知られています。
黒胡椒のようなスパイシーな香りと、ブラックベリーのような野性味あふれる果実味が魅力です。タンニンもしっかりしていますが、果実の甘みも感じられるため、飲みごたえのあるワインを好む人に人気があります。
- 味わい:フルボディ(重口)
- 特徴:スパイシーな香り、パンチのある果実味、濃厚なコク
- 合う料理:ジンギスカン、スペアリブ、ジビエ料理
【比較表】主要4品種の味わいチャート
代表的な4つの品種について、味わいの傾向を比較しました。その日の気分や料理に合わせて選ぶ際の参考にしてください。
| 品種名 | ボディ(重さ) | 渋み(タンニン) | 酸味 | キーワード |
|---|---|---|---|---|
| カベルネ・ソーヴィニヨン | 重い | 強い | 中~強 | 王道・濃厚・渋み |
| シラー(シラーズ) | 重い | 中~強 | 中 | スパイシー・力強い |
| メルロー | 中~重い | まろやか | 中~弱 | 果実味・滑らか |
| ピノ・ノワール | 軽い~中 | 弱い | 強い | 繊細・酸味・香り |
まずはこの4品種を飲み比べてみることで、自分の好みの「重さ」や「渋みの強さ」が把握できるようになります。好みの品種が見つかれば、そこから産地ごとの違いを探求していくのが、赤ワインの楽しみ方の王道です。
イタリア・スペイン・フランス…国別ワイン品種の傾向と特徴
フランス:世界基準となる「国際品種」の原産国
ワインの品種を語る上で欠かせないのがフランスです。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワール、シャルドネといった、現在世界中で栽培されている「国際品種」の多くはフランスが原産です。
フランスワインの特徴は、地方ごとに栽培できる品種が法律(AOC法)で厳格に定められている点にあります。「フランス ワイン 品種」を知ることは、世界のワインの基礎を知ることと同義と言えるでしょう。
- ボルドー地方:複数の品種を混ぜ合わせる「ブレンド」が基本。赤はカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロー、白はソーヴィニヨン・ブランなどが主体です。
- ブルゴーニュ地方:単一品種での醸造が基本。赤はピノ・ノワール、白はシャルドネがその代表格です。
- アルザス・ロワール地方:リースリングやシュナン・ブランなど、白ワインの名産地として知られる品種が多く栽培されています。
イタリア:数千種類とも言われる「土着品種」の宝庫
イタリアは南北に長い地形と多様な気候を持ち、その土地ごとの風土に根付いた「土着品種(地場品種)」が非常に多いのが最大の特徴です。その数は2,000種類以上とも言われ、飲み手を飽きさせない多様な味わいを提供しています。
- サンジョヴェーゼ(赤)
- イタリア全土で最も多く栽培されている品種。特にトスカーナ州のキャンティなどが有名で、しっかりとした酸味と渋みが特徴です。
- ネッビオーロ(赤)
- 北イタリア・ピエモンテ州の高級品種。「バローロ」や「バルバレスコ」を生み出し、長期熟成に向く力強いワインとなります。
- トレッビアーノ(白)
- イタリアで最も広く栽培されている白ブドウ品種。フレッシュで軽快なワインが多く、食事に合わせやすいのが魅力です。
「イタリア ワイン 品種 一覧」で検索してもすべてを網羅するのが難しいほど種類が豊富ですが、まずはこの主要な品種から覚えていくと良いでしょう。
スペイン:情熱の赤とスパークリングを支える固有品種
ブドウ栽培面積で世界一を誇るスペインもまた、独自の品種文化を持つ国です。赤ワイン用の品種が有名ですが、近年では高品質な白ワイン品種も注目を集めています。
スペインワインの代名詞とも言えるのが、赤ワイン用品種のテンプラニーリョです。リオハ地方などで主に栽培され、イチゴのような果実味と熟成による複雑味が楽しめます。また、世界的なスパークリングワイン「カヴァ(Cava)」には、マカベオ、チャレッロ、パレリャーダといったスペイン固有の白ブドウ品種が使われています。
【比較表】国別ワイン品種の傾向まとめ
主要3カ国の品種傾向を以下の表にまとめました。自分の好みの国を見つける参考にしてください。
| 国 | 品種の傾向 | 代表的な赤品種 | 代表的な白品種 |
|---|---|---|---|
| フランス | 世界標準の国際品種が中心。 地方ごとの格付けや規定が厳格。 | カベルネ・ソーヴィニヨン ピノ・ノワール | シャルドネ ソーヴィニヨン・ブラン |
| イタリア | 土着品種が豊富で多様性がある。 食事との相性を重視。 | サンジョヴェーゼ ネッビオーロ | トレッビアーノ ピノ・グリージョ |
| スペイン | 栽培面積世界一。 熟成ワインとカヴァが有名。 | テンプラニーリョ ガルナッチャ | アイレン アルバリーニョ |
「5大品種」「8大品種」とは?初心者のための品種の覚え方
まずはここから!基本の「5大品種」を押さえよう
世界には数千種類以上のブドウ品種が存在しますが、ワイン初心者の方がまず覚えるべきなのは、世界中で広く栽培されている「国際品種」です。その中でも、赤ワイン・白ワインそれぞれの代表格であり、多くの国で造られている以下の5つを「5大品種」として理解しておくと、ワイン選びが格段に楽になります。
- カベルネ・ソーヴィニヨン(赤):渋みと酸味がしっかりした「赤ワインの王様」。長期熟成にも向く重厚な味わいが特徴です。
- ピノ・ノワール(赤):渋みが少なく酸味が際立つ「赤ワインの女王」。エレガントで繊細な香りが魅力です。
- メルロー(赤):口当たりがまろやかで、果実味が豊か。カベルネとブレンドされることも多い品種です。
- シャルドネ(白):栽培環境や醸造法で味が変わる「白ワインの女王」。コクのある辛口からスッキリ系まで変幻自在です。
- ソーヴィニヨン・ブラン(白):ハーブや柑橘系の爽やかな香りが特徴。酸味がキリッとしたフレッシュな味わいです。
これら5つは「国際品種」の筆頭であり、世界中のどこでも高品質なワインが造られています。まずはこの5つの味の傾向を掴むことが、ワインの品種を覚える第一歩です。
さらに世界が広がる「7大・8大品種」へのステップアップ
5大品種の特徴を掴んだら、さらに個性的で人気のある品種を加えて知識を広げましょう。一般的に、先ほどの5つに以下の品種を加えたものが「7大品種」や「8大品種」として扱われることが多いです。
| 品種名 | タイプ | 特徴 |
|---|---|---|
| リースリング | 白 | ドイツやアルザス地方が有名。鋭い酸味と華やかな甘い香りが特徴で、辛口から極甘口まで造られます。 |
| シラー(シラーズ) | 赤 | フランスやオーストラリアが主産地。黒胡椒のようなスパイシーさと凝縮した果実味が持ち味です。 |
| グルナッシュ | 赤 | 南フランスやスペイン(ガルナッチャ)で有名。アルコール度数が高く、温かみのある果実味が特徴です。 |
ここまで押さえれば、レストランのワインリストやショップの棚にある主要なボトルの味わいを、ある程度予測できるようになります。
初心者におすすめの「品種の覚え方」とコツ
カタカナの品種名をただ暗記するのは大変ですが、実践的な方法で楽しみながら覚えることができます。
- 単一品種(ヴァラエタル)のワインを選ぶ
- ラベルに「カベルネ・ソーヴィニヨン」などと大きく品種名が書かれた単一品種ワインを選んで飲みましょう。ブレンドワインよりもそのブドウ本来の味がはっきりと分かります。
- 対照的な品種を飲み比べる
- 「渋いカベルネ」と「酸っぱいピノ・ノワール」、「コクのあるシャルドネ」と「爽やかなソーヴィニヨン・ブラン」のように、特徴が対極にある品種を同時に飲み比べてみると、違いが明確に記憶に残ります。
- チャートや擬人化でイメージする
- 「王様と女王様」「力持ちと優等生」のように、品種ごとのキャラクターをイメージしたり、味の「重い・軽い」「酸味・甘味」を軸にした品種チャートを参考にしたりするのも効果的です。
近年注目の「日本ワイン」主要品種(甲州・マスカットベーリーAなど)
世界へ羽ばたく「日本ワイン」と固有品種
近年、品質向上が著しく世界的な評価も高まっている日本ワイン。日本ワインとは、海外から輸入した濃縮果汁などを使わず、国産ぶどうを100%使用して国内で醸造されたワインのことを指します。南北に長い日本列島では、その土地の気候風土(テロワール)に合わせた多様なぶどう品種が栽培されています。
特筆すべきは、日本固有の品種が国際的な認知を得ている点です。OIV(国際ブドウ・ワイン機構)には、「甲州」「マスカット・ベーリーA」「山幸(やまさち)」の3品種が登録されており、これらはEUへの輸出時に品種名をラベルに記載することが認められています。
【白ワイン】和食に寄り添う「甲州(Koshu)」
甲州は、山梨県を中心に1000年以上前から栽培されていると言われる日本固有の品種です。かつては生食用が主でしたが、現在は日本を代表する白ワイン用ぶどうとして確立されています。
- 特徴:果皮は薄い赤紫色(藤色)をしており、グリ系品種に分類されます。
- 香り:すだちやカボスといった和柑橘、白い花のような控えめで上品なアロマが特徴です。
- 味わい:穏やかな酸味と、後味に感じるほのかな苦味(渋み)が食事の旨味を引き立てます。シュール・リー製法で旨味を持たせたタイプや、樽熟成タイプなどスタイルも多様化しています。
- 相性:鉄分が少ないため、生魚と合わせても生臭くなりません。刺身、寿司、天ぷらといった和食全般と最高のペアリングを見せます。
【赤ワイン】華やかな香りの「マスカット・ベーリーA」
マスカット・ベーリーAは、「日本のワインぶどうの父」と呼ばれる川上善兵衛によって、新潟県で「ベーリー」と「マスカット・ハンブルグ」を交配して生み出された品種です。山梨県や山形県など広い地域で栽培されています。
- 特徴:房が大きく、濃い紫色の果皮を持ちます。病気に強く日本の湿潤な気候に適しています。
- 香り:イチゴキャンディや綿菓子のような甘くチャーミングな香り(フラネオール)が最大の特徴です。
- 味わい:渋み(タンニン)は穏やかで酸味も柔らかく、フルーティーで飲みやすいワインになります。近年では樽熟成により複雑味を持たせた本格的なフルボディタイプも評価されています。
北海道・長野などで育つその他の注目品種
日本ワインの産地として存在感を増す北海道や長野県では、寒冷地に適した品種や欧州系品種の栽培が盛んです。主要な品種を整理しました。
| 品種名 | 色 | 主な産地 | 特徴 |
| 山幸(Yamasachi) | 赤 | 北海道 | 清見と山ブドウの交配種。野性味あふれる酸とスパイシーな風味が特徴。OIV登録品種。 |
| ブラック・クイーン | 赤 | 長野・山梨 | 川上善兵衛による交配種。非常に濃い色調と豊かな酸味を持ち、熟成能力に優れる。 |
| ケルナー | 白 | 北海道 | ドイツ系品種。マスカットのような華やかなアロマと、冷涼地らしいキレのある酸が魅力。 |
| ナイアガラ | 白 | 北海道・長野 | 北米系品種。独特の強いフォクシー・フレーバーを持ち、甘口から辛口まで造られる。 |
| メルロー | 赤 | 長野 | 国際品種だが、特に長野県塩尻市などで高品質なワインが生産され、日本の代表的な赤ワインの一つとなっている。 |
このように、日本ワインは固有品種の個性と、日本の風土で育まれた国際品種の双方が楽しめる魅力的なカテゴリーです。まずは「甲州」と「マスカット・ベーリーA」から試し、産地ごとの飲み比べを楽しんでみてはいかがでしょうか。
よくある質問:料理に合う品種やサイゼリヤで飲めるワインは?
料理の美味しさを引き立てる!食材別おすすめ品種ペアリング
ワイン選びで最も悩むのが「今日の料理に合うワインはどれ?」という点ではないでしょうか。基本的には「料理の色とワインの色を合わせる」のがセオリーですが、品種ごとの特徴を知っていれば、より素晴らしいマリアージュを楽しめます。検索需要の高い料理と相性の良い品種をまとめました。
| 料理ジャンル | おすすめの料理 | 相性の良いブドウ品種 |
|---|---|---|
| 肉料理 | ステーキ・焼肉 | カベルネ・ソーヴィニヨン、シラー(シラーズ)、マルベック |
| すき焼き・ローストビーフ | メルロー、ピノ・ノワール、マスカット・ベーリーA | |
| 魚介・和食 | 寿司・刺身・天ぷら | 甲州、ソーヴィニヨン・ブラン、スパークリングワイン |
| 生牡蠣・白身魚のムニエル | シャルドネ(特にシャブリ)、ミュスカデ | |
| おつまみ | チーズ・生ハム | リースリング、サンジョヴェーゼ、ゲヴュルツトラミネール |
特に日本の食卓に並ぶ「すき焼き」のような甘辛い醤油味には、果実味が豊かで渋みが穏やかなメルローや、日本固有品種のマスカット・ベーリーAがよく合います。また、天ぷらや寿司には、スッキリとした酸味とミネラル感を持つ甲州やソーヴィニヨン・ブランを選ぶと、素材の味を邪魔しません。
「サイゼリヤ」で飲めるワインの品種は何?
安くて美味しいワインの代名詞として人気の「サイゼリヤ」。ハウスワインやボトルワインに使われている品種を知っておくと、注文時の楽しみが増えます。サイゼリヤのワインはイタリアから直輸入されており、イタリアを代表する土着品種が使われているのが特徴です。
- ハウスワイン(白)
- 主にトレッビアーノ種が使われています。イタリア全土で栽培される白ブドウで、酸味が爽やかでクセがなく、フレッシュな飲み口が特徴です。どんな料理にも合わせやすい「万能選手」といえます。
- ハウスワイン(赤)
- 主にモンテプルチアーノ種が主体です。イタリア中部のアブルッツォ州などで有名な品種で、豊かな果実味と程よい渋み(タンニン)があり、飲み応えがありつつも親しみやすい味わいです。
- その他の人気ワイン
- ボトルリストにある「キャンティ」にはサンジョヴェーゼ種が、微発泡の赤ワイン「ランブルスコ」には同名のランブルスコ種が使われています。
品種を覚える近道は「飲み比べ」にあり
数千種類あると言われるワイン用ブドウ品種ですが、まずは「国際品種」と呼ばれる主要なブドウから試してみるのがおすすめです。品種の特徴を効率よく覚えるためのポイントを3つ紹介します。
- 単一品種(ヴァラエタル)ワインを選ぶ:ラベルに「カベルネ・ソーヴィニヨン」や「シャルドネ」と品種名が大きく書かれたワインを選びましょう。ブレンドされていないため、その品種本来の味をダイレクトに感じられます。
- 飲み比べセットを活用する:通販サイトやワインショップでは、「白ワイン3大品種飲み比べ」や「金賞赤ワイン品種別セット」などが販売されています。同時に飲み比べることで、酸味や渋みの違いが明確に分かります。
- 「重い」「辛口」などのキーワードで探す:自分の好みが分からない場合は、お店で「酸味が少ない白ワイン品種は?」「渋みがしっかりした重い赤ワインは?」と聞いてみましょう。好みの味に使われている品種名をメモしておくと、次回のワイン選びが格段に楽になります。